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だろうと言われています。
これはインドの象牙製品です。椅子の背もたれ、そこにいろいろな彫刻があります。これが全部象牙なのです。
実にインド風の非常にコケティッシュな男女の像。すばらしい彫刻です。
これは箱の蓋ですけれども、貴婦人がオウムを持って座っています。ここでは貴婦人が侍女に持たせた鏡を見て、お化粧をしている場面だと言われています。実に見事なものです。
これはガンジス川の川の女神、これも象牙でつくったものです。
次はハッダの仏教寺院跡から出ましたもので、こういう仏像があります。これは大きな仏像で2メートルぐらいです。その横にギリシアのヘラクレスがいるのです。
仏像とヘラクレスなんて全く似合わないですね。しかしちゃんとヘラクレスが棍棒を持っています。いわゆるバジラを持っているのです。
これがバーミヤーンのヒンズークシ山脈、シルクロードで山と言えば木がないのが山なのです。そしてこの崖面に、東の大仏37メートル、西の大仏55メートル、その間のところに黒く点々と見えるのが、全部石窟です。手前のこういうところにも石窟があるのです。
これが東の大仏です。37メートル。大きな龕がありまして、崖の壁体にあるトンネルから上がっていって、この上に登ることができます。内壁に壁画が書いてあります。
これがその天井の壁画です。太陽神が馬車に乗っています、馬がいる、馬の御者です。それから上方には風神と雷神がいるのです。そういう非常に壮大なる壁画が仏龕の天井には描かれてあります。
これは53メートルのほうの大仏さんです。この辺が傷んでいるのは、昔トルコの軍隊がここにやってきて、大砲で射撃をやってみたと。それの標的にされたのだということです。それで頭も取れています。内壁に壁画が覗いております。ここには飛天の像が実はあるのです。この石窟も頭の上に登ることができるのです。この崖の岩壁の中に通路がありまして、そこから出ることができます。
これはその頭のところの横のアーチです。そこに壁画があります。しかし剥離していっているわけです。こういうものは今にも落ちそうです。だんだん傷んでいくに違いありません。
飛天の絵の一つです。実に目の大きな、非常にきれいな、何かイラン風と言うか、軽やかな衣装を付けております。
ドーム天井と方形の部屋壁との間にまた一つの壁がありまして、その四隅のところにはこういうふうな半円形を重ねたようなスキンチアーチというものがあります。そこにまた千仏が描かれています。ここも千仏、ここも千仏、ほとんどが千仏によって飾られています。
これもそうです。ドーム天井の真ん中に菩薩があり、その周りを全部小仏像が飾っています。こういう千仏タイプが多いのです。
仏傅図というのはあまりないです。石窟内に木造建築を真似したものもあります。これは全部岩の中ですから、木材を組んで次第に狭めていって最後にドームを乗せているという、イランあたりにある木造建築のラテルネンデッケという手法がそのままこの石窟寺院の中に取り入れられているということです。
これなどは今度はドーム天井全体が亀甲形の模様で区切られています。その中に文様がある。とくに小さな菱形の中にも彫刻が実はあるのです。
これです。こういう彫刻が、トルコ帽のような尖頂の帽子を被った人の顔で非常にきれいなものです。蜜内の全面がこういう壁画と浮き彫りによって飾られているのです。これが今どうなっているのか、それが私には非常に気になっております。
キルナィムカと向こうでは呼んでおりますが、きれいな唐草模様の中に何かこわそうな鬼の面の顔があって、魔除け、すなわち一種の守護神であります。
これなどはササンのデザインです。速珠文のある丸い模様の中に2羽の鳩が真珠の首飾りを口にくわえているといった、こういうデザインです。日本の正倉院や法隆寺などにも、このデ

 

 

 

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